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お知らせ

【医療過誤裁判例】減胎手術を受けたものの1人も出産できなかった事案


2020.12.02お知らせ

不妊治療で5つ子を妊娠し減胎手術を受けたものの1人も出産できなかった事案で医師の過失が否定された裁判例(大阪地裁令和2年1月28日判決、判例時報2456号)の備忘です。

 

本件では、「医学的知見が一般的に確立していたと認めるに足りる証拠はない」などとして医師の過失が否定されています。

減胎手術については以下のように述べられています。

「減胎手術(減数手術ともいう。)は、多胎妊娠に際して、一部の胎児を子宮内において死滅させる手術であり、多胎による妊娠・出産のリスクを回避するためや、多胎児を育てることに対する負担の回避等を目的として始められたものである。多胎妊娠は、生殖補助医療技術の普及によることが大きいとされる。減胎手術の手技としては、経膣や経腹で薬物等を胎児に注入する方法等がある。」

「減胎手術は、母体保護法の定める術式に合致しない手術であるとの指摘や、減胎される胎児の選び方(障害の有無や男女別)について隣地面の問題も指摘されている。日本において、減胎手術が相当数行われているようであるものの、減胎手術を実施していることを公表している医療機関としては、E医師のD医院が見当たる程度であり、減胎手術に関する症例報告やその手技等について述べた教科書・文献は少ない。」

こういった減胎手術に関する知見や事実経過を踏まえて、医師に過失はなかったと判断されています。

また、転医義務についても争われていて、「減胎手術を専門に行うことを標榜する医療機関はほとんどないことからすると、適切な転医先医療機関を見つけることは困難であるといえる。」などとして転医義務もなかったと述べられています。

説明義務違反も争われていますが、医師の過失はなかったと判断されています。

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