弁護士 平井 健太郎大阪で医療過誤(患者側)の法律相談

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お知らせ

【医療過誤裁判例】静脈確保・尺骨神経損傷・後遺障害


2020.09.24お知らせ

「原告が痛みを訴えているにもかかわらず直ちに穿刺手技を中止しなかった過失があったこと」「本件穿刺により原告が右前腕部尺骨神経損傷の傷害を負ったこと」に争いはなく、損害額(後遺障害の程度等)が争われた事案です(秋田地裁令和元年10月23日判決、医療判例解説第87号)。

 

原告が可動域の測定方法が普通ではなかった旨を主張したことに対して

「医師は、日本整形外科学会整形外科専門医であり、また、秋田県で2名しかいない日本手外科学会専門医でもあり、原告の関節可動域の測定につき同医師に格別利害関係があるとも考え難く、同医師が上記の通常の方法と異なる測定方法によって過大な他動可動域を測定したと疑う合理的な理由はない」

と判決では述べられています。

専門医であったり、利害関係がない場合、医師が通常の方法と異なる方法をとったと裁判所に認めてもらうために、本人の供述だけではなく、他の根拠が必要であることがわかります。

 

後遺障害逸失利益の労働能力喪失期間について、病院側が受傷から5年程度であると主張したことに対して

「本件受傷から3年近く経過している現時点において頑固な神経症状が残存していることに照らし、5年程度で労働能力を回復するとはにわかに認められず、他に労働能力喪失期間を短縮すべき特段の事情も認められないから、症状固定(平成31年)から67歳(令和16年)までの15年間の労働能力喪失を認めるのが相当である。

と判決では述べられています。

「3年近く経過している現時点において頑固な神経症状が残存している」という原告の現在の容態に関する事実に着目しており、患者側にとっては有利な認定になっています。

一般的な医学的知見等の抽象的な主張だけではなく、患者ご本人の容態を具体的に裁判官に伝えていく必要があるといえます。

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