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【裁判例】養育費・取立訴訟・将来の給付の訴え


2020.10.07お知らせ

元夫が養育費を払わなかったため、元夫が代表取締役を務める会社に対して役員報酬等を差し押さえたが、会社として支払わなかったので、元妻が会社に対して取立訴訟を提起した事件です。

この事件では、元夫が現に養育費を払っていないので、将来も払われない可能性が高いと言えます。

こういった場合に、未払いの養育費が発生するたびに裁判を提起するのはなかなか大変なので、養育費を受け取る側からすると将来の分もあらかじめ請求したいところです。

そこで、元夫が将来受け取れる役員報酬についても、元妻(債権者)から元夫が代表の会社(第三債務者)に対する裁判の中で、あらかじめ請求することができるかが問題とされました。

東京地裁平成31年2月14日判決では以下のように述べられています。

「このような不確定要素が内在する被差押債権たる将来の役員報酬等請求権の金額に減額変動が生じた場合に、事後的に過剰となるに至った取立訴訟の判決での認容金額に基づく債権者の取立て(強制執行)を阻止するためには、その被告たる第三債務者において請求異議訴訟を提起しなければならないと解するのは、債権者と債務者との間に生じた金銭的紛争の直接の当事者ではない第三債務者に過大な手続的負担を負わせるものであって、相当でないというべきである。」

「そうすると、本件の第三債務者たる被告の代表取締役は、債務者である(元夫)本人であり、両者の間には密接な人的関係があること、被告が差押え後は全く被差押債権の取立てに応じていなかったという経過から、今後も任意の取立てには応じない状況が継続する可能性が相当程度高いと見込まれること・・・といった事情が存在することを考慮に入れたとしても、原告がひこkに対し、本件口頭弁論終結日以降に支払期が到来する被差押債権についてまで予め請求を行う必要があると認めるのは困難であるといわざるを得ない。」

この判決に関する解説では「本件の特殊事情の評価の仕方によっては、本判決の結論の是非には議論の余地があり得るようにも思われるが」との指摘もあり、元夫が会社の代表者であるから元夫と会社は実質的には同じではないか、といった辺りをどう評価するかが意見の分かれ目になると思います。

参考文献:判例タイムズ1474号235頁

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