いつ相談すればよいですか?
2023.01.31
いつ相談すればよいですか?
そう聞かれることがあります。
弁護士としては、早めに相談してください、という回答になります。
では、遅いと不利益があるのか?
医療過誤の場合、重要な証拠であるカルテは既に作成されています。
基本的に改ざんなどがなされないことを前提にすれば、証拠が変わることはありません。
これから新たな事実が加わっていくことも少ないと思っています。
疑っている医療事故が起きてすぐでも1年後でも証拠(カルテ)は変わらないことになります。
変わるとすれば、どんなやり取りがあったか、といったカルテには残っていない記憶の部分だと思います。
なので相談に来られないとしても、当時のやり取りなどはメモにするなどして忘れないようにした方がよいと思います。
法律的な一番の不利益は時効です。
長い間なにもしなかったら、権利がなくなってしまうという制度です。
具体的には「5年」です(2020年4月1日施行の改正後の場合です)。
ただし、5年ギリギリで相談に来ていただいてもいいかというと、そうではありません。
医療事件は相談を受けてすぐに裁判を進めるわけではありません。
カルテや医学文献などを調べて、医師にも意見を聞くという調査を行う必要があります。
調査には時間がかかるため時効ギリギリの場合には調査が間に合わないという理由でお断りすることがあります。
その他にも考慮したほうがいい点があるかもしれません。
それを確認するためにも早めの相談をオススメします。